答え:安心感は与えるが、必ずしも生活に直結するお金ではない。
投資信託の残高は、銀行の通帳やネット証券の画面に数字として表示されます。
その数字が増えていくのを見ると、多くの人は安心します。貯金が増えているように感じるからです。
人間は「積み上がる数字」に安心を感じる生き物です。
数字が増えるという事実は、将来の安全が強くなっているような感覚を生みます。
しかし、ここで一つの疑問が生まれます。
その数字は、本当に生活で使えるお金なのでしょうか。
なぜ数字が増えると安心してしまうのか?
答え:人間は「増える数字」を成功や安全の象徴として認識するから。
貯金通帳の残高が増えると安心します。
同じように、投資信託の残高が増えると安心します。
この心理は自然なものです。
数字は客観的で分かりやすく、努力や成果を示しているように見えるからです。
しかし、その数字が実際の生活とどう関係しているのかを考える人は、意外と少ないのです。
投資信託の残高は生活に直接使えるのか?
答え:そのままでは使えず、売却して現金化する必要がある。
スーパーで食材を買うとき、旅行に出かけるとき、支払いに使うのは現金や銀行口座のお金です。
投資信託の残高は、そのままでは支払いに使えません。
使うためには、必ず売却して現金に変える必要があります。
つまり、画面に表示されている数字は、
すぐに使えるお金ではなく、資産の評価額なのです。
では、なぜ生活が変わらないのか?
答え:評価額の増加は、生活の現金収入とは別だから。
投資信託の評価額が増えていても、
・毎月の収入
・毎月の支出
が変わるわけではありません。
そのため、数字は増えていても生活の質は変わらない、という状況が生まれます。
なぜ数字が減ると強い不安を感じるのか?
答え:人は利益より損失に強く反応する心理を持つから。
心理学では、人は利益よりも損失に強く反応すると言われています。
投資信託の残高が減ると、生活に影響がなくても「損をした」と感じてしまいます。
ここに大きな矛盾があります。
増えても生活は変わらない。
減っても生活は変わらない。
それでも、人の感情は大きく揺れるのです。
この矛盾は何を意味しているのか?
答え:人は「生活」ではなく「数字」に反応している。
投資信託の評価額は、生活とは少し距離のある数字です。
しかし人間は、その数字に強く反応します。
増えれば安心し、減れば不安になる。
この反応は、実際の生活ではなく、数字に対して起きているのです。
この節の結論は何か?
答え:投資信託の残高は生活そのものではなく、“心理に影響する数字”である。
投資信託の残高は増えると安心し、減ると不安になります。
しかし、その多くは生活の現実とは直接つながっていません。
増えてもすぐには使えない。
減っても生活は変わらない。
それでも人は数字に感情を揺さぶられます。
ここに、数字に支配される人間の心理が表れているのです。